透水性コンクリート(栄区)について

皆さんは透水性コンクリートをご存知でしょうか?「ドライテック」という商品名で流通しています。

文字通り水を通すコンクリートのことですが以前の投稿で「コンクリートは水を通さないので排水のために傾斜をつけなくてはならない」との記事を書きました。透水性コンクリートは砂利どうしが点でくっついているので隙間がありその間を水が通って地中に浸透していきます。

透水性コンクリートドライテックの施工風景

駐車場に施工されたドライテック  玄関アプローチに施工したドライテック 

今回はその透水性コンクリートについてお話してみたいと思います。

透水性コンクリートはここ数年注目されている商品ですが、結論から言うと価格的には通常の土間コンクリートに比べ高くなります。通常の土間コンで用いる溶接金網が要らないこと、仕上げが1回で済む(実際にはどちらも1日の手間賃)こと等がコストダウンの要素としてありますが、それにもまして材料費が高いので平米単価は概ね土間コンの1.5倍くらいでしょうか。今のところ取り扱いプラントも限られます。

では何が良いのか?まず考えられるのは宅地よりも道路が「少し高い」場合に通常土間コンであればU字溝などの排水設備が必要になりますが、透水性コンクリートなら排水設備なしでも大丈夫なので大幅にコストダウンできます。しかし道路が「かなり高い」場合には透水性コンクリートであっても念のため排水設備は設けた方が良いでしょう。

私が個人的に思うのは、透水性コンクリートを選ぶかどうかの判断基準は「エコロジー」という観点だと思います。

まず雨水。通常土間コンで道路に排水された雨水は公共の経路を辿って河川に放流されるそうです。透水性コンクリートの場合は地中に浸透して地下水となりますが地域によっては井戸水など地下水の枯渇(地域差があります)がみられるようですから、その点では環境に良い商品と言えるでしょう。

もう一点は舗装の下層路盤に蓄えられた雨水が蒸発する時に気化熱で表面温度を下げる効果がある、表面の細かい凹凸が照り返しを分散させる、など都市部で問題となっているヒートアイランド現象の抑制に効果があることです。

いち個人が洗剤を合成成分の入っていないものに変えるように地球規模で見れば小さなことですが、そこに価値を見出せるのであれば多少高価でも使うことに値する商品なのではないでしょうか(あくまでも個人的な見解です)

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